春、夏、秋、冬 一年を4つの季節にどう分ける? 西洋と日本のちがい
一年を春、夏、秋、冬と4つに分ける。
わたしたち日本に住んでいると当たり前のようだけれど、
四季がある国は、世界中でどのくらいあるのでしょう。
一年中暑い国もあれば、一年中雪と氷に閉ざされたような国もある。
そんなところにも人間が暮らしてきた歴史があります。
明日は、節分。明後日4日はいよいよ暦の上で春が始まる「立春」で
すね。でも、外は一年でいちばん寒いころになっています。
不思議ですね。わたしたちの祖先は、ずっとずっと大昔にお日さまや
月や星の動きを観察しながら一年を計算し、暦を決めました。基準に
なったのが、二至二分、そして四立といいます。(読み方は、にし・
にぶん・しりつ)
まず重要なのは、夏と冬のそれぞれ一番昼が長い日(夏至)と夜が長
い日(冬至)です。きっと盛大なお祭りをしていたかもしれません。
次に大事なのは一年を半分にしたその半分の日。すなわち昼と夜が同
西洋の人たちは、この春分と秋分を大事にしました。もう十分に春の
気配に満ちたころと本格的に寒さがやってくる最後の陽の光がある頃
を春と秋の始まりとしました。先ほどの夏至と冬至も一年でいちばん
暑い頃であり寒い頃に近い気温の頃にあたります。
一方、日本を含む中国、韓国、東南アジアの地域はどうだったか?
そう、一年を4つに分けたあともうそれぞれを二つに分けて基準日を
置きました。それが、「四立」=立春、立夏、立秋、立冬です。この
日をもって季節の始まりの日と決めました。
気象予報士の先駆けとなった倉嶋厚さんは、この西洋と東洋の四季の
分け方をとてもわかりやすく説明しています。
東洋は「原因」から季節を決め、西洋は「結果」から季節を決めた。
そんなふうに書いています。太陽の光と地球の地軸の傾きが暑さ寒さ
に影響を与えているのですが、東洋では目に見えない力がこれからは
たらいて春になるのだよというところを見て、西洋では、その力が十
分に現れたことを見て季節の到来と判断する。
このようにして、日本で暮らすわたしたちの暦と身体に感じる暑さ寒
さは季節の名前を呼ぶのでもずいぶんと「ずれ」がありますね。でも、
その「ずれ」こそがわたしたちに様々なものを感じる力を育んできた
のだという人がたくさんいます。すなわち、寒さの中に春の兆しを見
つける目であり、風に秋の訪れを感じる心です。
まだまだ寒い日が来たり暖かくなったりと繰り返すことでしょうけれ
ど、今しか感じることのできない季節の移り変わりを楽しみましょう。